登場人物

白花シリーズを通して、さまざまな組織に属する侍や巫女、はては魔性たちが登場する。

沙耶(さや)

【白花冥幻譚、白花ノ剣】
水奈弥ノ神と縁を結んだ三位巫女。瘴気を体に吸収し、心身を削り浄化する、霊水の力を授かった。西の地に生贄として赴く。

「瘴気は、元々は想いでありますゆえ。――人や、あるいは人ならぬものたちの、浮かばれぬ想いが、溜まったものなのです」

雪凪(ゆきな)

【白花冥幻譚、白花ノ剣】
烈賀王と縁を結んだ一位巫女。馬稚国では武神とみなされているが、その力は謎に包まれている。

「そなたは……。西のはての地である日暮ノ峡に赴き、瘴気を抑えるための人柱と相なるのです」

未命(みめい)

【白花ノ幽姫】
白ノ宮の四位巫女の少女。霊受の際に『謎の魔性』と繋がったことで、血の渇きに目覚め、血を求めるようになる。
生まれ持った『神との感応能力』のせいで運命に翻弄される。

「もうさ、終わりにしなきゃ。――だめなんだよ。理久……。あなたのために……」

理久(りく)

【白花ノ幽姫】
馬稚国から白ノ宮に派遣された守護の兵で、天清流の『正しき』剣術に誇りを持つ青年。心の奥底に弱さとずるさがあり、その影を断とうともがく。
血の渇きに苦しむ未命と出会い、血を与えるようになる。

「俺は、夜ごとに、渇いていく感じがする。――未命。もっと、俺たちは、深く…………」

緋奈(ひな)

【白花ノ幽姫】
未命の友ともいえる若き四位巫女。童顔の優しげな少女。

「ふふ、隠さなくたっていいのに。――思いつめるのは、よくないよ。ね、とにかくさ。何かあったら、相談してよね」

蓮二(れんじ)

【白花冥幻譚、白花ノ剣、白花ノ幽姫、白花銀狼譚】
かつて瘴魔退治専門の侍集団にいた青年。沙耶の監視と護衛を兼ねて、西の地へ向かうことになる。巫女たちには深い不信と恨みがある。

「瘴魔は、浄めるんじゃねえ。叩っ斬るもんよ……」

縫衣(ぬい)

【白花ノ剣、白花ノ幽姫】
銀狼衆に所属する少女剣士で、白柄の刀を使う。幼き日の『盟約』により、左手に女の魔性が宿る。
亡き実父母の思い出の詰まった、白花糖という干菓子に憧れている。親族を盥回しにされる中で、自我と『欲望』を捨てた。

「わたしは……! 九慈郎様のように、戦いたい。もっと、強く…………」

九慈郎(くじろう)

【白花ノ剣、白花銀狼譚】
蓮二や縫衣の師である銀狼衆の老剣士。

「まだ重心が、浮いちまってるなァ。地に足を張るんだ。木のように。――な、人間てな、そういうもんだ」

鶫水(つぐみ)

【白花銀狼譚】
元巫女で、銀狼衆・薊班(あざみはん)に所属する少女。生存2年。
かつて主神の、日月ノ長神を霊受し、予知の力を授かるが、代わりに視力を失ってゆく。五貝銅貨の穴から未来を垣間見る。武器は刀。

「視れば地獄、視ざるも地獄。どうせなら、わたしは視るよ。ね、蓮二」

黄泉丸(よみまる)

【白花銀狼譚】
銀狼衆の生存12年の男で、薊班の要(かなめ)役。長髪の長刀使い。
表向きは馬稚国の都で『薊屋』という宿を営む。

「薊班の次の任務だ。しかと聞け」

奈義(なぎ)

【白花銀狼譚】
薊班のひとりで、おかっぱの白髪。一度死んだことがあるらしく、そのせいか瘴魔に見つからない。武器は釘。

「教えてよ、蓮二。僕が生きる、その意味をさ」

静迦(しずか)

【白花銀狼譚】
薊班のひとりで、青みかかった長髪の美青年の弓使い。普段は温厚だが怒らせると危険。

「蓮二、私が援護する。瘴魔を近づけないでくれ」

伊月(いつき)

【白花銀狼譚】
薊班のリーダー格。没落した武家の後継ぎ。壮健な外見と態度とは裏腹に、繊細な面もある。武器は槍と刀。

「よし、行くぜ薊班、死ぬんじゃねえぞ!」

刹(せつ)

【白花ノ剣、他】
老人の頭に大鷲の体を持つ怪鳥。甘い菓子が大好き。

「ゲッゲッゲッ……。姫様ァァ、参りますぞォ!」

天魔王(てんまおう)

【白花ノ剣、他】
神代の時代より存在し、三毒の魔女を創造した魔性。長い銀髪に、浅黒い体には蛇の形のあざが這う。

蒼玉(そうぎょく)

【白花ノ剣、他】
神代の時代に造られた、人間の悪徳たる三毒(欲望、怒り、愚かさ)を象徴する三姉妹。
その三毒の魔女の長女で、『欲望』を司る。見た目はすらりとしたおとなしい女性だが、実はおそろしく欲深い。鳥を眷属とする。
宝具は「鳳嵐鈴」で、すべてを飲み込む黒い竜巻を生じさせる。
終わらぬ貧困と渇望が支配する世界を求める。

「わたしと共にいれば、与えよう。奪われてきたものを。諦めてきたものを……」

紅華(こうか)

【白花ノ剣、他】
三毒の魔女の次女で、『瞋恚(しんに)』を司る。蓬髪豊満な怪女。長虫(蛇)が眷属。
人間が争い憎しみ合うのを見るのがなによりの娯楽。
宝具は「獄炎杖」で、呪われた大炎を生じさせる。怒りを霊気に変えて摂取する。
絶えることなき、佳き戦いの世界を求めている。
丹綺国の魔性の女王に君臨している。

「よい。怒りの炎が、燃えてきたのう。心地よい熱が!」

白蘭(はくらん)

【白花ノ剣、他】
三毒の魔女の三女で、『愚昧(ぐまい)』を司る。桃色の小袖におかっぱの、あどけない童女に見える。千歳という大きな猪を眷属とする。
人間がおどろいて混乱するのを見るのが大好き。
宝具は「花乱笛」で、人間を幻惑し狂わせる呪いを発する。混乱を霊気に変えて摂取する。
あくなき狂瀾と愉悦の世界を求めている。

「まだまだ、足りないよっ! もっと、とびっきり、楽しくしなくっちゃ……」